臼蓋形成不全

臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)とは、下のイラストのように大腿骨頭(だいたいこっとう)を受けている寛骨臼(かんこつきゅう)にあるが臼蓋が浅く不完全な状態を言います。

臼蓋形成不全のイラスト

臼蓋形成不全は先天性や後天性で起こりますが、股関節に痛みなどの不調を感じ始めるのは30~40歳頃の方が圧倒的に多いものです。

若いころは股関節部の新陳代謝が盛んで、関節に負担がかかっていても股関節周囲に炎症が波及するまでいたらないので、痛みを感じないケースが多いのです。

発症の原因

先天性と後天性があります。

先天性によるもの

先天性股関節脱臼や遺伝によるもの、逆子説などが有名です。

逆子説:本来、お腹の赤ちゃんの頭は下を向き足が上になっています。そういう状態であることによって、足をばたばたと伸ばしたら縮めたり自由に動かすことができるようになっています。ですが、逆子の状態であると、足を動かすスペースが制限されてしますので、股関節がずれたり、場合によっては脱臼してしまう。

生後、股関節脱臼が発見され病院で治療を施されて治ったとしても、臼蓋形成不全の状態までは完治されないことが多いのです。

後天性によるもの

環境、生活習慣により起こるものです。

赤ちゃんの時は、三角オムツやおんぶ、抱っこの時の足の位置。股関節は伸ばさずにM字であることが望ましい。また、成長期では、アヒル座りや横ず座り片膝を立てて座るなど股関節に負担のかかる姿勢に注意が必要です。

痛みの原因

生まれたときから関節が浅い状態であったにもかかわらず、20~30歳代くらいまではさほど症状もなく過ごしていたということや適切な治療により痛みが緩和することから、股関節の痛みの直接の原因は股関節そのものではなく、股関節を支持固定している周辺組織(筋肉など)の機能不全であると考察できます。

対応と処置

臼蓋形成不全は器質的疾患(機械でいうと部品の形の異常)なので、それ自体が完治することはありません。ですが、放っておくと軟骨はますます擦り減り変形性股関節症へと悪化してしまうことがあります。

そこで、一般的に多く行われているのが保存療法(手術以外の方法)です。保存療法には大きく①運動療法と②薬物療法に別れます

  • 運動療法 … 関節可動域の改善、筋肉・周辺組織の機能回復、筋力トレーニングやストレッチなど
  • 薬物療法 … 飲み薬や外用薬などによる消炎鎮痛、血行促進

状態が進行すると手術療法を迫られるケースも出てきます。(人工股関節による置換手術や寛骨臼回転骨切り術などの自骨手術)

運動療法の注意点

股関節の運動療法は関節に荷重がかからないように行う必要があります。運動や筋トレによって関節、周辺軟部組織(筋肉、じん帯など)に無理な力が加わると硬化や炎症を引き起こす危険性があります。

  • 股関節に荷重がかかる運動、筋トレ(スクワット など)
  • 股関節を軸にした運動、筋トレ(足あげ、足の横あげ など)
  • 長時間のウオーキング
  • プール歩行は努力のわりに効果がうすい

効果的な運動療法 ~軟骨再生~

臼蓋形成不全の場合、関節窩が浅いので一点加重(関節の一点に体重がかかってしまう)になりやすくなります。そのため、進行すると関節軟骨に負担がかかってすり減り、変形性股関節症へと移行することがあります。

効果的に運動療法を行うためには軟骨に負担をかけないように

  • 関節に圧力を加えないで動かす
  • 筋肉を過度に緊張させないで動かす
  • 股関節を減圧するように動かす

ことが大切です。

この条件を満たしているのが「ジグリング(貧乏ゆすり)」です。

整形外科では、一度すり減った軟骨は再生されないとされていますが、昨今、“貧乏ゆすり”をすることにより軟骨が再生するとの報告がされ注目を集めています。

この“貧乏ゆすり”と言う表現はテレビや雑誌、マスコミ用の表現です。専門的には“ジグリング”と言います。

ジグリング(jiggling)とは、軽く揺する ことです。

実はこのジグリング(ゆすり療法)は、自分で行うよりも他動的に手技で行うことによってその効果を最大に発揮できる方法であり、テレビなどで話題になるはるか前から行われていた手技なのです。

臼蓋形成不全 施術

より積極的に手技で ①関節をゆすり ②筋肉をゆるめて ③歪みを調整(アライメントを正す)してあげることによってもレントゲン画像で隙間ができ、股関節の関節軟骨が再生しているケースを経験しています。

筋肉は、積極的な筋トレにより作るより、股関節が回復し、痛みが軽減してくることによって自然と増えてくるものです。